
交通事故において保険会社から被害者に支払われる保険金額の算定基準には、保険会社が独自に定めている「保険基準」と呼ばれるものと、裁判上の和解や判決で運用されている「裁判基準」と呼ばれる2つの基準が存在します。この裁判基準は、平均的に、全ての損害項目において保険基準を上回っており、しかもその差額はかなりの金額に上っています。当事務所では、これまでの事例で培ったノウハウを駆使して保険会社と交渉したり裁判で争うことにより、裁判基準による損害賠償の獲得という実績を挙げております。
客を降ろすために停車したタクシーが、その横を自転車に乗って通過しようとした依頼者(主婦)に気付かずドアを開けたため、依頼者が開いたドアに衝突し、自転車もろとも転倒し、全治3週間の傷害を負ったという事案。
1.後遺障害等級14級9号(局部に神経症状を残すもの) の認定を獲得
後遺障害等級とは、後遺症の症状の程度に応じてランク分けがなされているもので(重い順に、1級から14級まで)、損害保険料率算出機構という団体が審査します。後遺障害等級の認定が受けられないと、後遺傷害慰謝料や後遺症による逸失利益を請求できなくなるため、この認定を受けられるか否かが、賠償額に大きく影響してきます。特に、14級と非該当(いずれの等級にも該当しない場合)をめぐっては、かなり微妙なケースが多く、基準が必ずしも明確でないと指摘されています。
では、どうすれば後遺障害等級の認定を受けやすくなるのでしょうか。結局のところ、後遺症が残っていることを診断書等の資料によってどれだけ説得できるかがポイントとなります。ところが、実際に、どういう資料が必要なのか、あるいは、医者にどういう内容の診断書を書いてもらえばいいのかは、専門知識がなければなかなか難しい問題だと思います。
当事務所では、これまで扱ってきた事件から、どのような資料をそろえれば認定をより受けやすくなるかといったノウハウを蓄積しています。例えば、このケースでは、後遺症が残っている箇所を強調するために写真撮影をしたり、医者に診断書を書いてもらう際、どういう点に気を付けて記載してもらえばいいかを事前に依頼者にアドバイスしておくことにより、説得力のある資料を提出することができ、結果として14級の認定を受け、自賠責保険から75万円をもらうことができました。

保険基準とは、保険会社が独自に運用している内部基準のことを言います。これに対し、裁判基準とは、「財団法人日弁連交通事故相談センター」が編集している「損害賠償額算定基準」(いわゆる赤本)を指し、実際の裁判でもこの基準が採用され、裁判上の和解や判決で運用されています。そして、この裁判基準は、全ての損害項目において保険基準を上回っています。
保険会社は、当初、依頼者にも過失があったとして、依頼者の過失割合5%を損害額から減額すると主張していました。しかし、当職がこの主張の不合理性を指摘したところ、最終的には過失ゼロを認めさせ、これにより約20万円の実質増額を実現しました。
尚、このケース以外にも、交渉段階で保険会社が主張していた過失割合よりも、依頼者に有利な過失割合の認定を裁判で受けたケースが複数あり、この点でも、保険会社の見解と裁判上の基準との間には乖離が見られます。

当事務所では、保険会社との交渉段階から、この裁判基準に基づいた損害額を提示し交渉を行うことにしております。すると、弁護士介入前には保険基準金額しか示さなかった保険会社も、弁護士相手に交渉が決裂し、裁判に持ち込まれることになれば、結局は裁判基準に基づく損害額を支払わねばならなくなることから、大抵は、裁判基準かそれに近い金額まで提示を上げてきます。
このように、当事務所では、裁判に至らなくても、交渉段階で裁判での和解と同等の成果を挙げています。
但し、どうしても金額の折り合いがつかない場合や、事故態様が複雑な案件については、裁判で決着を図ることになります。裁判と言うと何年も時間がかかるというイメージがありますが、実際には、民事訴訟法等の改正により、裁判自体は従来よりもかなり迅速になってきていますし、特に東京地裁では、交通事故だけを扱う専門部があり、交通事故訴訟に精通した裁判官によって迅速な審理が行われています。当事務所で扱っている交通事故事案でも、訴えを提起してから事件が終了するまでの期間は、よほど複雑なものでない限り、長くても1年程度、早ければ半年程度です。
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